世界に無神経さをさらした中国の衛星破壊実験

”中国は2007年1月11日に、自国の気象衛星を標的に衛星破壊の実験を実施した。実験は成功し、衛星は多数の破片となって軌道上に広がりつつある。

31日になって安倍晋三内閣総理大臣は、国会答弁で「中国による説明は懸念を払しょくするものではなく、引き続き透明性のある説明を求める」と発言した。

実際問題として、安倍総理の認識はまだまだ甘い。この問題は、遠い未来に渡って人類の宇宙利用、宇宙進出を根本から脅かしかねない重大問題である。人類の未来を考えれば、安倍総理から中国の温家宝総理に直接抗議文を出してもおかしくはないほどの暴挙なのだ。

中国首脳部が、この実験を事前にどこまで把握していたかは不明だ。しかし、結果として中国は国際社会に対して「中国は人類全体の未来よりも、地球上における自国の権益を優先する」というシグナルを送ってしまったと言っていいだろう。”

今回の中国による衛星破壊実験に関して、時間軸に沿った形で技術的経緯と政治的経緯が、松浦晋也氏によってわかりやすく解説されている。結局、国際宇宙ステーション(ISS)も、この実験で発生したデブリを回避するために軌道変更を行ったようだ。(UPI記事参照:英語記事)

また、同じ日経BPのなかで、産経新聞ワシントン駐在編集特別委員・論説委員の古森義久氏もコラムを書いている。 第41回中国の衛星破壊で米国は大ショック ただし、「東西冷戦で米国とソ連の軍事対立が険しかった1970年代から80年代にかけて、米ソ両国とも衛星破壊の能力を開発することへの努力には着手していた。だが実験とはいえ、現実に飛んでいる衛星を撃ち落すことはなかった。しかも米国はその後、衛星破壊の能力開発そのものも放棄してしまった。」と言うくだりには少々疑問を感じざるを得ない。  Wikipedia「衛星攻撃兵器」参照 だが、「アメリカには二つの心臓がある。一つはホワイトハウスで、もう一つは議会だ。」と言う言葉にあるように、アメリカ議会の動向が記述されているのはポイントだ。


今後もしばらく、このデブリ問題をめぐる動きから目が離せなそうだ。

松浦晋也氏の「宇宙開発を読む」第9回
[NikkeiBPnet]http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/matsuura/space/070202_hakai/

2007年02月05日